今回の作品「サンズディア」について その2

sansdeer2010-12-14



ところで、今回は演奏のみならず、様々な人と、
いろいろな形でコラボレーションすることができたのが
本当に楽しかったです。


ジャケットとブックレットのアートワークを担当して
いただいた工藤波夫=くどうなみおさんとの
(ぽつぽつとあいだを空けながらの)濃密なやりとり。
CDのブックレットに使用している作品は、4枚で
ひとつながりになっていまして、「Jericho」という
タイトルです。今回掲載している画像はそのなかの1枚です。


この「Jericho」にまつわる話は非常に興味深く、
また自分の本質をある意味言いあてられていること
でもあるので、お話できると良いように思うのですが、
まだ少しその時は来ていないようにも感じるので
(まだヤバイ笑というやつです)またの機会に譲ることが
できればと思います。


その後、いただいた作品を最大限を活かすために、
どういった体裁にするのが良いのか、ということを
ジャケット、ブックレット、盤面、オビなどパーツごとに
納得いくまでつめていく作業を、音楽家であると同時に
デザイナーとしても多忙に活躍している青木隼人くんを
ひたすら困らせながら、締め切りぎりぎりまで粘って
入稿しました(青木くんには本当にお世話になりました。
感謝してもしきれないです)。


音に関していえば、録音状況や編成、録音レベルがばらばらで、
音質も決して良いとはいえない素材を、僕の、素人ならではの
ないものねだりリクエストを冷静にジャッジしながら、できること
については一つ一つ丁寧に応えてくださり、最終的には本当によく
ここまで、というところまで磨きをかけてくださった、(こちらも
楽家であると同時に、録音エンジニアである)おおたようへいさん
のプロフェッショナルな仕事ぶりには本当に感服しました。


そして、今回はsans deer初の一発録りでない曲「untitled 6」
のミックス、サウンドスケープ録音/構成でご参加いただきました、
ラジオゾンデ等で活躍すると同時に、録音エンジニアである津田貴司
さんにも大変お世話になりました。イメージのみをお話させて
いただいて、完成を楽しみにしてところ、送っていただいた作品は
新鮮なおどろきに満ちていました。


本当にありがとうございました。



sans deer 『サンズディア』
FALL5/Bookend-02 1,365円


くわしくはこちらでご覧いただけます。
http://falldays.exblog.jp/13711636/


今のところ、置いてくださっているお店は


TOWER 渋谷5F
TOWER 新宿
TOWER 名古屋近鉄パッセ
ディスクユニオン


FALL(西荻窪
興文堂書店(鹿沼
iTohen(大阪)
新星堂桑名ビブレ店(三重)
PASTEL RECORDS(奈良)
ガケ書房(京都)


amazon ほか



です。もし、お出かけの際に見かけたら手にとってみて
いただけますと嬉しいです(タワーレコード渋谷店、
新宿店では試聴機に入れてくださっているようです。
ありがとうございます!)


お取扱いについてのお問い合わせなどは、
teruoki@nifty.com(FALL)までお気軽に
お願いいたします。


よろしくお願いいたします

今回の作品「サンズディア」について

sansdeer2010-12-13



ビル(・ウェルズ)さんが、日本にきて
一緒に録音したのが2年前の夏、でした
からずいぶん時間が経ってしまったなあ
というのが率直な感想です。


しかし、その後ときどき折りにふれ
そのときの録音テイクを聴きかえして
みると、瑞々しさは失われることはなく、
作品としての強度があると同時に、ある種の
輝き(煌き?)が感じられたので、今まで
他の機会に録音したものの中で、その強度と
煌きに共振しうると感じた2曲「まるい時間」
「私の運命線」をくわえ、さらにやや特殊な発想
により作曲、録音された曲「untitled 6」を
素材として津田さんにお預けし、最終的に形になった
ものを比較的最近つくった作品として近況報告(?)
のように入れました。


自分の作品の最大の特徴は、作曲時の着想や意図、
また譜面については言語化(アナリーゼ)すること
ができるのですが、演奏して録音されたものについては、
それがどういうものなのか、自分自身では言葉にあらわす
ことはできない、ということだと思っています(例外も
なかにはありますが)。


たとえば、今回のCDの1曲目に収録している
「秋の流れ」について書いてみると、もともとの
着想は、ジャズにおける即興演奏のあり方を、
もっと別のやり方で活かすことができないだろうか、
という事にあります。


ジャズにおける即興演奏は、後年には色々な方法が
試みられましたが、いわゆるバップ(チャーリー・
パーカーに代表されるビバップ、後年はハードバップ
という、より形式化されたスタイルになりました)
における即興演奏は、「スタンダード」と呼ばれる
アメリカのヒット曲のコード進行を土台として行われて
いたかと思います。


そこでの即興演奏のあり方は、(もちろん個々のミュージシャン
によってモチベーション、意図、美学、テクニックは様々ですが)
基本的にはその「スタンダード」曲のコード進行をつかって
いかに独創的な演奏をするか、ということにあったのではないか
と思います。


具体的には、そのコードに含まれている音(Cならドミソとか)、
含まれていないけど使ってもあまり違和感のない音、違和感はあるけど、
うまく使うとかっこいい音、次のコードの音(中身やバリエーションに
ついては↑と同じ)、その曲のメロディー、その瞬間のコードにはない
けどその曲のどこかにある音、または関係ない(?とされる)音などを
そのときの感情や指のはしり、他の人の演奏や偶然などに影響されながら

ひとつの流れ(旋律)をつくること、ではなかったかと思います(概ね)。


その美しさ、ダイナミズムについて今ここで僕があえて言葉を書き
つらねる必要はないと思えるほど、20世紀のポピュラーミュージック
におけるバップの存在感、影響力の大きさは計り知れないものがあった
と思います(そのスタイルが世界中に伝播したということでは、ビートルズ
と同等の影響を与えたと言っても過言ではないはずです。もちろん社会に
あたえた影響、リスナー人口という点では4人組は抜きんでていると思いますが)。


(あえてざっくりというと)ポピュラーソング、たとえばシナトラが歌って
大ヒットした曲を、コード進行だけは一緒で、でもまったく違った抽象的な
美しい旋律をもった曲にする、バップのあり方に心をうばわれたとして、
ある日はたと気がついたのですが、そういった構造(音楽の成り立ち、
演奏方法)を活かして別のことができるのではないか、と思ったんです。


自分自身の気持ちや感情、もっとこうだったら良いのになあ、と思う

ある種の理想(イデア)を体現するとしたら、バップと同じように演奏する
より自分にぴったりくるやり方があるのではないかと。


それにはまずバップの特徴のひとつであるソロまわしは基本的にやらない。
研ぎ澄まされた即興演奏を、ひとりひとりの個性を感じながら聴くのは
本当にスリリングなことですが、僕としてはより世界のあり方に演奏を
近づけたかったんです。ひとつの時間、ムードを共有していながら、

あちこちでいろいろなことが生起する、われわれが生きる世界のあり方に。


そこでの演奏は、もちろん抽象的な美しさをめざしても良いし、でも鼻歌
のようなものでも良いんです。ギターが鳴らすコードを聴いてくれて、
感じたことがあれば、それはどのような形で表現されても良い。


前作『Grand Tour』でいえば、「小舟」がまさにそうですね。
ひょっとしたら、お聴きになられた方でお気づきになられた方が
いらっしゃるかもしれませんが、あの曲のコード進行は、ホベルト
メネスカルという人の「小舟」という曲と一緒です(ボサノヴァ
曲としてはよく知られているので、聴いてみたらああこの曲かーと
なるかもしれませんね)。


ただ、おそらく両方を聴きくらべたとして、同じ曲だね、という
人はほとんどいないような気がします。メネスカルさんの曲にある、
メロディーはどこにもなく、あるのは漂うように流れていく、
アルト・サックスやマンドリン、ノコギリやホースの旋律(や
ドローン)などです。


はじめたころは、コード進行をもとに、即興演奏でサウンドスケープ
をつくる、とか説明してお願いして一緒に演奏してもらっていたような
気がします。


それは今でもそんなに遠くないように思える、というか、コードが進んでいく、
ということ以外の形式的な決まりごとはいっさいなく、ある種の総体として
演奏がある、としかいえない状態であれば、僕としては満足なんです。


その日集まってくれた人、その日の感じ、でどんな演奏になるか
それだけが楽しみというか。


だから、言葉であらわすとしたら、「演奏」としか言えない。


ジャンルや形式に拠っていないので、言葉の足がかりになるようなものが
少ない、とも言えるのかもしれません。


なにが言いたかったのかというと、どこが好きなのか、すごいと思うのか
うまく言葉にできないけど好き、ということが僕は美術や映画や音楽を
体験したときに思うことがあるのですが、そういうものでないとだめ、
ということでなく、またこういうところが好き、とはっきり言えるもので好きな
ものも本当にたくさんありますが、なにかわからないけどわくわくする、とか
共感するという気持ちを、もしまだ見ぬどなたかと共有することができれば、
本当に幸せです。ということです。


この作品については、他にもいろいろ書きたいことがたくさんあるのですが、
長くなってしまったのでこのへんで。


またです。



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新作です

sansdeer2010-12-12



sans deer 『サンズディア』
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小石川フリーコンサート

3月のコンサートの、出演者のプロフィールを
アップさせていただきます(コンサート詳細に
ついても↓にまとめておきますね)。


【キム・ドゥス Kim Doo Soo】


大学卒業後、音楽活動を開始。名前は韓国の代表的小説『土地』に登場する悪漢・「キム・ドゥス」からとられている。1986年、1stアルバム『シオリッキル』発表。自由への渇望を歌った歌詞が当局ににらまれ、迫害、弾圧を受ける。1991年に3rdアルバム『ボヘミアン』発表。この後、活動を一切休止し、深い山の中で10年に及ぶ自給自足の隠遁生活に入る。隠遁生活のきっかけとして、『ボヘミアン』を聴いた一人の女性が人生の虚無感を嘆き、自殺してしまった事件があったという。しかし、ある時「私は『ボヘミアン』を聴いて死ぬことを思い留まりました」と書かれた男性からの手紙を受け、音楽活動の再開を決意する。2002年、11年ぶりの4thアルバム『自由魂』を発表。韓国でのレコードイヤーに輝き、「韓国大衆音楽100大レコード」にも入る。2006年、アメリカで発売されたアジアン・フォークのオムニバスCDに韓国代表として収録。2007年、5thアルバム『10 Days Butterfly』を、日本のレーベル・PSF Recordsから発表。最新アルバムは、『The Evening River』(2009年)。その繊細で慈しみに満ちた歌の世界は唯一無比。今日、東アジアの地平において最も重要なミュージシャンの一人と言って過言でないだろう。


【長谷川陽平 (レクチャー)】


1971年生まれ、東京都出身。 18歳で本格的にギターを始め、60〜70年代のロックに夢中になり世界中のレコード収集を始める。1995年、韓国ロックに衝撃を受け、韓国ロックのコピーバンドを結成。日本でバンド活動をする傍ら、ライブ見学やレコード収集のため年に15回以上のペースで日韓を往来する。1998年、本格的に韓国で活動を始める。1999年、韓国で念願のCDデビューを果たす。2005年、国民的人気ロックバンド「サヌリム」にギタリストとして加入。現在、メジャー・インディーズを問わず様々なバンドからのオファーを受けギタリストとして活動している。また、他バンドのプロデュースや映画「死生決断」のサウンドトラックを手がけるなど、ギタリスト以外にも活動の幅を広げている。http://onsei-korea.blogspot.com/


【園田佐登志】


ミュージシャン、映像作家。非正規労働者のユニオンで15年間奮闘後、2008年に活動再開、自作「篠田昌已 act 1987」を引っさげ全国で上映会を開く。その後もマヘルシャラル ハシュ バズ「腰くだけの犬」(DVD)、「Early Works of SatoshiSonoda」(CD)等をリリースし活動の幅を広げている。
http://www.myspace.com/discsonor


【sans deer サンズ・ディア】


杉本卓也(ギター、バイオリン、うた)により、2006年に始められる。ライブハウスなどの既成の音楽活動の場に拠らず、毎回その場の特性を活かした演奏、企画を行う。2006年6月には、アメリカのワシントン州オリンピアにおいてthe12th Annual Olympia Festival of Experimental Musicに参加、同レーベルでの録音セッションも経験する。2009年6月にはカナダのモントリオールにおいてSuoni Pel IlPopolo Music Festivalに出演。2009年9月にライヴアルバム「Grand Tour」をリリースする。現在ファースト・アルバムをレコーディング中。 http://www.myspace.com/sansdeer



2010小石川フリーコンサートvol.1 & 2


東アジアの音楽
「韓国No.1アシッド・フォーク歌手キム・ドゥスさんを迎えて」


vol.1-3月6日(土) vol.2-3月7日(日)


いずれも13時30分開場 14時開演  


出演 キム・ドゥス(歌・ギター)


withレクチャー「韓国音楽の現在」
長谷川陽平(ギタリスト ex.サヌリム)


共演 6日 園田佐登志(映像作品上映) 
    7日 sans deer 
  

入場無料 先着80名


場所 文京区立小石川図書館4Fホール
※文京区小石川5-9-20 TEL 03-3814-6745 
地下鉄丸の内線「茗荷谷」駅から徒歩5分


小石川図書館・図書館を利用する音楽家の会(図音会)共催
図音会HP:http://www.za.em-net.ne.jp/~toonkai/
協力:ジャパンミュージックサポートアソシエーション(JMSA)
http://www13.ocn.ne.jp/~jmsa/index.htm

今年もよろしくお願いいたします

ご挨拶がだいぶ遅くなってしまいましたが、
本年もよろしくお願いいたします。


今年のお正月はカナダの友人が遊びにきて
いて、とても楽しかったのですが、
その後、ウィルス性の胃腸炎になってしまったりと
ちと大変でした。


彼らとは、3月にもまた会えるかも
しれないので楽しみです。


今年の最初の予定としましては、3月に
ひさびさに小石川図書館でのコンサート
企画があります。


2010小石川フリーコンサートvol.1 & 2


東アジアの音楽
「韓国No.1アシッド・フォーク歌手キム・ドゥスさんを迎えて」


vol.1-3月6日(土) vol.2-3月7日(日)


いずれも13時30分開場 14時開演  


出演 キム・ドゥス(歌・ギター)


withレクチャー「韓国音楽の現在」
長谷川陽平(ギタリスト ex.サヌリム)


共演 6日 園田佐登志(映像作品上映) 
    7日 sans deer 
  

入場無料 先着80名


場所 文京区立小石川図書館4Fホール
※文京区小石川5-9-20 TEL 03-3814-6745 
地下鉄丸の内線「茗荷谷」駅から徒歩5分


小石川図書館・図書館を利用する音楽家の会(図音会)共催
図音会HP:http://www.za.em-net.ne.jp/~toonkai/
協力:ジャパンミュージックサポートアソシエーション(JMSA)
http://www13.ocn.ne.jp/~jmsa/index.htm



2002年ごろから、お手伝いや企画などを
させていただいていましたが、今回は縁があり
sans deer として演奏もすることになりました。

とても良い企画だと思うので、こういった形で
参加することになり本当に楽しみです。


今回僕らは、青木くん(マンドリン、ピアニカ)
入江さん(ミュージカルソウ)、大谷能生さん(アルトサックス)
僕(ギター、うたなど)の4人で演奏する予定です。

久しぶりの大谷さん参加、本当に楽しみです。
よろしくお願いします。

ontonson

sansdeer2009-12-27


出産でお休みされていたontonsonさんが
ついに再オープンされました。


http://ontonson.com/


sans deerの「Grand Tour」もお取り扱い
いただいております(にかさやの「ワンサマー
ハイム」などとならんで一緒に!すごく嬉しい
です。ありがとうございます)。


育児とお店の切り盛りの両立はすごく大変なこと
だと思います。どちらも健やかな発展を願って
います。


1月5日までのご注文分は送料無料とのこと
です。この機会にぜひご利用ください。