『Grand Tour』 について

すでに販促チラシやウェブサイトなどにも掲載していますが、
今回リリースした『Grand Tour』についての文章を、文字数の
関係でのぞいた部分と、補足をすこし加えてこちらにアップ
いたします。

2008年2月16日に西荻窪の Shop&Gallery「FALL」でおこなわれた演奏を完全収録しました。sim、masなどを中心に活動し、批評家としても重要な存在である大谷能生さんをゲストに迎え、呼吸をするように自然に、皆がソング (うた) と即興の境界をただよっていました。お互いを感じながら、瞬間ごとにどのようにその曲の中で生きるか、を考えながら演奏した時間の重なり、「その日の感じ」を十二分に伝えていると録音を聴いて感じたので、ぜひリリースしたいと考えました。


この数年、「音とはなにか」もさることながら、「音楽とはなにか」ということを考え日々暮らし、演奏してきました。その道のりのなかで、こういった演奏を残すことができたのは幸運だったと思います。


「音楽とはなにか」とは、こうして書いてみると非常に荷の重い問いのように
感じられますが、動機はいたって素朴でした。


もともと、音楽を好きで聴いている時期がながく、まさかこうしてCDをだしたり、
人前で演奏するようになるとは思っていなかったので、演奏すること、作曲すること
に触れるようになってからは、毎日が驚きと発見に満ちていました。


そういった中で、毎回のライヴごと、あたらしい曲ができるたびに
新しいなにかを自分なりに試みる過程で感じていたこと、興味をせんじつめると、
それは「音楽とはなにか」ということだ、とある日気がついたのです。


では、具体的にどういうことなのか、ということなのですが、
これはまず演奏や録音を聴いていただきながら、すこしずつ
お話できると良いな、と思います。


機会があったら、まとまった形でかんがえたことを文章として
残すことができたらとも思っていますが、それはいずれまたどこかで、です。